REGULAR【連載】

20161017-01

 

 クルマ好きで有名なTBSアナウンサーの安東さんが、鈴鹿に観戦にいらっしゃっていたようで、こんなコラムをお書きになっていました。

 

 http://gazoo.com/car/pickup/Pages/andou_161014.aspx

 

 簡単に言うと、こんな高いチケット料金を取っといてこの内容じゃ、そのうちF1終わりますよ、と。はい、まさにその通りだと僕も思います。グランドスタンドで7万円とか、いくらなんでも高すぎます。

 

 ただ、チケット料金は鈴鹿サーキットが決めて販売しているわけですが、採算を考えると仕方なくそうなってしまっているところも大いにあります。

 

 ご存じの通り、鈴鹿サーキット(を運営するモビリティランド)はF1を開催するためにFOMに莫大な開催権料を支払っています。関係者曰く「国内のレースで少しずつ利益を積み重ねて、F1で一気に吐き出すような感じ」だとか。要するに、鈴鹿サーキットとしては赤字覚悟でF1を開催しているわけです。たとえ赤字でも、F1を開催している鈴鹿サーキットというブランドバリューにはなります。そしてなにより、鈴鹿サーキットが開催を断念すれば日本GPは消滅してしまうのですから、開催し続ける責務があると考えて、なんとか毎年F1日本GPの開催を続けてくれているのです。

 

 一時期に較べれば少なくなったとは言え、7万人や8万人もの観客動員というのは他のスポーツイベントやコンサートと較べても格段に多いはず。それにチケット代金があれだけ高価なら、客単価も高いはず。それなのに、どうして赤字になってしまうのでしょうか?

 

 それは、それだけFOMに支払う開催権料が莫大であるということ。加えて、開催にともなってサーキット設備の保守や改装、国内イベントとは比べものにならないほどの特別設備やスタッフ数の手配が必要になります。それなのに、主催者である鈴鹿サーキットが得ることのできる収益はチケット収入だけで、それ以外のサーキット看板やタイトルスポンサー収入、グランドスタンド裏の出展料など、およそ考えられる収益は全てFOMのものとなってしまうのです。

 

 鈴鹿サーキットは莫大な開催費用をチケット売上だけでカバーして収支が合うようにチケット料金をつけているわけで、だからこそあれだけ高価な料金設定になってしまうのです。それでも売れ残りが多ければ赤字になってしまうというわけなのです。

 

 つまり、主催者から莫大な開催権料を取って、チケット売上以外の全てを召し上げてしまうという今のFOMのやり方が、この高額のチケット料金を生み出しているのです。この高額さについて、鈴鹿サーキットを責めるのは酷というものでしょう。

 

 バーレーンやマレーシア、ロシアやアゼルバイジャンのように、国家的事業として国威啓発のためにやっている新興のグランプリなら、そういうビジネスもアリでしょう。彼らは収支など気にせず、莫大な出費も国際的PRのための費用と考えて喜んで払うでしょう。しかし日本GPを開催している鈴鹿サーキットは一企業です。彼らに一国の政府と同じ出費を求めるのは無理があります。ヨーロッパでのグランプリがどんどん減っているのも同じ理由で、いちサーキットやモータースポーツ団体には莫大な赤字が生じるグランプリ開催を維持できなくなってきているのです。

 

 新しい開催地は新しい開催地で良いことだと思いますが、日本GPやイギリスGP、ドイツGPやイタリアGPのように、F1になくてはならないグランプリも多々あると思います。F1チームにも伝統とF1への貢献度に応じた分配金があるのですから、こうしたレジェンドグランプリには特別な開催権料システムを導入すべきでしょう。FOMとしてはF1チームにより多くの分配金を用意するために目先の利益を考えることも大切なのでしょうが、それよりももっと大切なことがあるのではないかと思ってしまいます。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Related Articles

Comment

  • トラックバックは利用できません。
  • コメント (0)
  1. コメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

Recent Post【最新の記事】

Calendar【日付で記事検索】

2017年8月
Mon Tue Wed Thu Fri Sat Sun
« 7月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031