REGULAR【連載】

20150115-01

 

 友人の中国人ジャーナリストから聞いたところによると、中国の“パチ速”こと『F1速報』が休刊し、ついに中国ではF1専門誌が姿を消してしまったそうです。

 

 中国の『F1速報』は元々、日本の『F1速報』と提携して発刊され、ロゴも同じものを使っていたほどでした。しかし数年でその提携が無視されて独自路線を進み、版権使用料もうやむやになったまま月刊での発行が続いていた……という、まぁ中国あるあるな感じの雑誌でした。

 

 記事は外部のジャーナリストに依頼することもなく(つまりお金をかけず)、ほとんどが自社の記者が構成していましたが、たまにスタッフが現場に来ても別に取材をしているふうではなくただ遊んでいるだけといった感じだったので、きっとF1好きな人がゆるい感じでやっていたのでしょう。ですから内容もイマイチでした。

 

 中国では依然として広告の出稿量がハンパないのですが、それはファッション誌や自動車雑誌の話であって、日本と同じようにF1マニアしか読まないようなF1専門誌には広告出稿は全くといっていいほどなかったそうです。それも彼らの誤算のひとつだったのかもしれません。

 

 『パチ速』自身は休刊とは明言せず、数カ月にわたって発刊をストップしている一方で(今後も断続的に紙媒体でも発行はしていくようですが)、中国版Twitterと言われるウェイボーなどのウェブメディアやSNSメディアに移行しているそうです。

 

 中国では無料のSNSが隆盛を極めていて、メーカーが広告費をウェイボーなどのSNSに投入しているそうです。メディアや有名人に広告費を払って、広告ではなく彼らの言葉としてSNSで発信させたりしているそうです。中国の人民たちもいずれはそういう“まやかし”に気付くでしょうし(あるいはすでに気付いているか)、メーカーや広告代理店もそういうところから広告費は引き上げていくでしょうが、いずれにしても中国でさえもう雑誌の時代ではなくなってきているというわけです。

 

 日本でもF1雑誌やレース雑誌は苦戦を強いられていて、いつなくなってもおかしくない状況だとは思います。ネット上に無数にある無料の情報と変わらないようなコンテンツしか作れないとしたら、紙に印刷して有料で発信する価値などないというわけです。逆に、“紙だから良い”のではなく、プロフェッショナルでなければ作れないようなコンテンツを届けられるのならば、雑誌の存在意義はあるし、別に“紙”である必要もないのです。

 

 ウェブ上の無料情報は、基本的にプロフェッショナルでない人々のコピー&ペーストでしかありません。つまり、彼らは自分たちで0から1を生み出すことはできないのですから。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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